英語英文学科

新谷 敬人

 

新谷 敬人 (しんや たかひと)

プロフィール

私の専門は音声学です。音声学は言語学の一分野で、ことばの音を研究します。音声の研究にもいろいろありますが、近年関心を持っている問題は英語の発音教育です。これを二つの側面から研究しています。
 一つの側面は、私たち日本語ネイティブスピーカーが英語の発音を習得しようとする時、何に困難を覚えるのか、何を優先的に学習すべきか、またどのような訓練方法がより効果的なのかというものです。英語は一義的にはコミュニケーションのためのツールですから、相手に伝わらないと意味がありません。一方で私たちの英語には訛りがあるのが当たり前で、これを完全に取り除くのは極めて困難であるし、またその必要もありません。理解される英語のためには発音のどの側面が重要で、どこをどう直せば通じるのかを考えています。
 私の研究のもう一つの側面は、言語態度の問題です。言語を使う人は必ず何らかの「訛り(accent)」を話します。英語も例外ではなく、われわれ日本人は多くの場合アメリカ英語を主とする訛りを「お手本」として学習します。その結果、アメリカ英語もしくはアメリカ英語に近い英語だけをまともな英語であるとみなしがちになり、日本語訛り英語を含めた、他の訛りに対して否定的な態度を取りがちになります。しかし現代世界では英語の話してはむしろノンネイティブスピーカーの方が多くなっています。現実世界で英語を使う場合、むしろ非アメリカ英語的で、ノンネイティブスピーカー訛りの入った様々な種類の英語の方が聞く機会が多いでしょう。この、ある種「差別的な」言語態度を変えていく方法について考えています。

[ E-mail ] tshinya@otsuma.ac.jp

主な著書?論文

  • 「日本人英語学習者の上昇調イントネーションにおける核位置について」,『大妻レヴュー』54, 45-59, 2021.
  • Effects of Intonation Contour and Duration on the Identification of Lexical Stress by Japanese Listeners, 『大妻レヴュー』 53, 87-103, 2020.
  • 「学習項目間の相対的優先度について」,『大妻レヴュー』 52, 51-64, 2019.
  • 「留学は発音を良くするか?-リズム特徴に基づく予備的研究」,『大妻レヴュー』 50, 113-125, 2017.

担当科目

  • 英語発音入門
  • 英語音声学演習
  • 英語学(音声?音韻)
  • セミナー1, 2, 3, 4
  • 卒業論文
 ※ 講義内容は次のリンクより、シラバスページにアクセスし、教員名で検索してご確認ください。
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ゼミの紹介

教員から

新谷ゼミ写真

新谷ゼミは一言で言えば「発音のゼミ」です。私たち日本語ネイティブスピーカーが英語を使う場面の多くは(当たり前ですが)相手は外国の人たちです。そして、その相手は英語のネイティブスピーカーではないことも少なくありません。この点は見逃されがちです。私たちも相手も自分の母語ではない英語を外国語として使うのです。現代ではこの状況が世界的に普通になりつつあります。外国語では理解度が下がりますから、英語のネイティブスピーカーになら通じていた発音が英語を外国語として使う話者には通じないということが起こります。新谷ゼミではこの状況に注目し、相手が英語ネイティブとは限らない状況で英語発音のどこが理解にとってもっとも重要なのか、様々な言語を母語にする人たちの様々な英語はそれぞれどのような特徴があるのか、日本語ネイティブスピーカーの英語は日本人以外の人にはどれくらい理解されまたどのように感じられるのかなど、英語の発音を「国際共通語」という観点から考察します。同時に自身の発音を向上させることを目的として発音の練習も行っています。

学生から

私たちのゼミでは、英語学の音声学について研究しています。音声学では口の中のどの部分をどう使って発音しているのかを学んだり、コンピューターを使って音声を可視化して音の伝わりを学んだり、私たちが英語の音をどう聞くかを学んだりします。またいろいろな英語の方言の発音の特徴についても扱います。発音と文章を読む時のリズムを練習する時間があるのですが、アメリカに長く住んでいた新谷先生から直々に個人指導していただけます。なかなか難しいのですが、とても実用的でためになります。

このゼミは英語の発音について学ぶことができるので、発音を良くすることができます。先生の教え方がとても丁寧で優しいので、授業が苦手な私でも意欲的に取り組めます。

先生は優しくて、とても丁寧に指導してくれます。英語を話したり、聞いたりすることが好きな人に向いているゼミだと思います。

過去の卒論タイトル

  • 日本人英語学習者の多様な英語発音に対する態度、分かりやすさ、母語話者らしさの研究
  • 単語の知覚における英語母語話者と日本人英語学習者による母語話者判定
  • 英語音声のバリエーションと理解度―方言と個人的特徴が与える影響
  • 日本語訛りの英語は日本人にとって分かりやすいか
  • 英語母語話者が発音しやすい日本人の名前について―日英語の音韻体系を考慮した実験